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ジーン・ウルフ Gene Rodman Wolfe

1931- ニューヨーク市生まれ、テキサス州ヒューストンで育つ。家系はオランダとスイス系。
幼い頃から読書好きで近所のドラッグストアで貪り読んでいたらしい。
テキサス農工大在学中に朝鮮戦争に従軍。戦後、ヒューストン大学に再入学し機械工学を専攻。
「プラント・エンジニアリング」誌の編集長(これって凄いことだよ!)を11年勤め1984年にフルタイムの作家に転身。
「新しい太陽の書」などの大作を兼業・40代以降に執筆している。
参考サイト:http://mysite.verizon.net/~vze2tmhh/wolfe.html

ケルベロス第五の首

The Fifth Head of Cerberus (1972) 

STORY

 地球から遠く離れた双子惑星サント・アンヌとサント・クロアが舞台。
一見、全く異なる趣の三編が、共通の設定の中で関連し合いながら一つの物語を成す。

「ケルベロス第五の首」

 ポート・ミミゾン、サンタルバンク通り666番地。ここにケイヴ・カネムと呼ばれる春を販ぐ館がある。門の前には3頭の首を持つケルベロスの像。
 この館で暮らす名前を持たぬ主人公の一人称で物語は語られる。
 ケルベロス~3つの頭を持つ言わずと知れた地獄の門番である。
 しかし何故第5の首か…館の住人は5人。この謎は本編を読み進むうちに朧気に示唆される。
主人公の父は大量のクローンを生産し、失敗作は奴隷として売買される。
主人公は裕福な館で不自由なく生きるが、次第に自分の出生を知ることとなる。
己のルーツを自らの手で葬り、幸福な結論めいたものを残すのだが、 何も答えは用意されていない。

「ある物語」

 「ジョン・V・マーシュ作」となっている。
1部「ケルベロス第五の首」で登場したマーシュという民俗学者が蒐集した原住民(アボ)の民話の一つという位置づけか?
しかし、単純にマーシュ本人であると言い切れない思いが読後に襲う。
約200年前に地球からフランス系移民がサント・アンヌに入植したのだが、 ここではそれ以前からの移民が居たことが判る。
 サント・アンヌ、サント・クロアそして地球との関係が読みとれる。


「V・R・T」

ある囚人(マーシュその人である。)の刑務所での記録。
約200年前に入植したフランス系フランス系地球人が最初の移民と考えられてた。だが、もっと以前に地球からの移民がいたらしい。しかし、その記憶は忘れ去られている。
姿を変えられる原住民(アボ)は地球人の姿を模倣する。
自分たちがアボであるかどうかも忘れて地球人として生きているという説、あるいは地球人によって絶滅させられたという説がある。
更に、初期移民はアボによって絶滅したとも。


 アボは、そして人間はどこへ行ったのか?登場する人物はアボなのか人間なのか?

REVIEW

 もう、この1冊でジーン・ウルフと虜になった謎だらけである。しかも謎は新たな謎を産む。
曖昧で不確実な糸が絡まって構築される。読後は暫く不安定さを引きずる。
当然でもある。曖昧さや不確実性こそがこのストーリーの軸なのである。
21世紀序盤に生きる我々にはクローン技術に対する嫌悪と不安しか持ち合わせていないが、 技術を駆使する行為としてはかつて人の肉体を切り刻み科学が進歩してきた姿と何ら変わりない。
しかし、ヒトクローンだと何故本能的とも言える警戒をするのか?
登場するアボ、クローン、シュミレータ…彼らは「人間か?」その問いは問いのまま3編の中に投げかけられている。

人が人たる所以は遺伝子ではないらしい。
では与えられた記憶ではなく体得していく記憶なのか?
それは種族へと記憶と繋がる。
しかし2部では歴史の記憶の曖昧さが取り上げられている。
訳者である柳下氏はあとがきで「アイデンティティの探求がテーマである」と断言しているが、人格としてのアイデンティティではなく種族、あるいは人間そのものの定義について波紋を投げる。

読後の妙な不安感はまさにその種としての不明瞭さ故のものなんだろう。
広げたものは畳んで…この作品には通用しない。広がり続ける。

  • ケルベロス第五の首 (未来の文学)

柳下 毅一郎 訳
国書刊行会
発行:  2004/11
ISBN: 4-89449-031-5
四六版 / 331 p

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デス博士の島その他の物語

coming soon
The Island of Doctor Death and Other Stories: And Other Stories (1970) 

STORY

 "death" "island" "doctor" この3つのワードを入れ替えて綴られる短編3作と中編2作で構成される。

「デス博士の島その他の物語」 The Island of Doctor Death and Other Stories

「アイランド博士の死」 The Death of Dr. Island

「死の島の博士」 The Doctor of Death Island


「アメリカの七夜」 Seven American Nights


「眼閃の奇蹟」 The Eyeflash Miracles


REVIEW

  • デス博士の島その他の物語
  • The Island of Doctor Death and Other Stories: And Other Stories

浅倉 久志  伊藤 典夫  柳下 毅一郎 訳
国書刊行会
発行: 2006/02
ISBN: 4-336-04736-7
四六判 / 413p

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拷問者の影 -新しい太陽の書1

coming soon
The Shadow of the Torutrer (1980) 

STORY

REVIEW

  • 拷問者の影(新装版 新しい太陽の書1) (ハヤカワ文庫 SF ウ 6-5 新しい太陽の書 1)
  • Shadow & Claw: The First Half of the Book of the New Sun : The Shadow of the Torturer/the Claw of the Conciliator (Book of the Long Sun)

岡部 宏之 訳
早川書房
発行: 1986/10
ISBN: 4-15-010689-4
文庫 / 430 p

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 調停者の鉤爪-新しい太陽の書2

coming soon
The Claw of the Conciliator (1981) 

STORY

 

REVIEW

 

  • 調停者の鉤爪(新装版 新しい太陽の書2) (ハヤカワ文庫SF)
  • Shadow & Claw: The First Half of the Book of the New Sun : The Shadow of the Torturer/the Claw of the Conciliator (Book of the Long Sun)
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岡部 宏之 訳
早川書房
発行: 1987/02
ISBN: 4-15-010703-3
文庫 / 412 p

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警士の剣 -新しい太陽の書3

coming soon
The Sword of the Lictor (1981) 

STORY

 

REVIEW

 

  • 警士の剣(新装版 新しい太陽の書3) (ハヤカワ文庫SF)
  • Sword & Citadel: The Second Half of the Book of the New Sun : The Sword of the Lictor and the Citadel of the Autarch
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岡部 宏之 訳
早川書房
発行: 1986/10
ISBN: 4-15-010689-4
文庫 / 430 p

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独裁者の城塞 -新しい太陽の書4

coming soon
The Citadel of the Autarch (1982) 

STORY

 

REVIEW

 

  • 独裁者の城塞 新しい太陽の書 4 (ハヤカワ文庫SF)
  • Sword & Citadel: The Second Half of the Book of the New Sun : The Sword of the Lictor and the Citadel of the Autarch
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岡部 宏之 訳
早川書房
発行: 1986/10
ISBN: 4-15-010689-4
文庫 / 430 p

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新しい太陽のウールス -新しい太陽の書

coming soon
The Urth of the New Sun (1987) 

STORY

 

REVIEW

 

  • 新しい太陽のウールス  (ハヤカワ文庫 SF ウ 6-9)
  • The Urth of the New Sun
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岡辺 宏之 訳
早川書房
発行: 2008/08/25
ISBN: 4-15-010763-7
文庫 / 606p

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