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J.K.ローリング Joanne Kathleen Rowling

1965年- 英ブリストル生まれ。
ポルトガル人ジャーナリストの夫と離婚後、生活保護を受けながら、幼い娘のために「ハリー・ポッター」を執筆したのは余りにも有名な話。
1997年に出版されたシリーズ第一作「ハリー・ポッターと賢者の石」が大ベストセラーとなり、世界中にハリーポッターブームが巻き起った。
スマーティズ賞を始めとする多数の賞を受賞。ハリーポッターシリーズは7作で完結。
参考サイトhttp://www.jkrowling.com/

ハリー・ポッター
賢者の石 | 秘密の部屋 | アズカバンの囚人 | 炎のゴブレット | 不死鳥の騎士団 | 謎のプリンス | 死の秘宝 |

 ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

Harry Potter and The Order of The Phoenix
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Harry Potter and the Order of the Phoenix (UK) (Paper) (5) Adult Edition
 夏休み、復活を遂げたヴォルデモートの動向を独り探るハリー。
不良化の進んだ従弟ダドリーと夜の町で遭遇するが、遭遇したのは従弟だけではなかった。
吸魂鬼が従弟に襲いかかる。ハリーは守護霊を呼び出し退けたが、ここはマグルの世界。未成年のハリーがマグル界で不要に魔法を使うことなど許されない。 魔法省はハリーを不当な裁判にかける。そればかりでは無い。ハリーはダンブルドアともども、連日メディアから誹謗中傷を受けていた。
この背景にはヴォルデモート卿の復活を認めず、ダンブルドアの勢力拡大の口実だと判断する魔法省の企みが潜んでいた。

魔法大臣ファッジはホグワーツ統制と監視を目的とし、アンブリッジを送り込む。
アンブリッジの恐怖的統制下で生徒たちは不満と怒りを増殖させて行き、骨抜きな授業を憂いたハーマイオニーはハリーを中心とした自主ゼミを開催する。その名は「DA」。

一方、ハリーはヴォルデモートと夢の中で同じ視点を共有し始める。これを知ったダンブルドアはスネイプに閉心術を教授するよう指示するがハリーはどうしてもスネイプとの課外授業が身に入らない。そればかりか「憂いの篩」に浮かび上がるスネイプの若かりし時の記憶を覗いてしまう…。
激しい衝動を抑えきれず、冷静さを失うハリー。何度も注意を促すハーマイオニーの言葉も煩いものとしか感じない。

終ぞ、この世で最も愛し、信頼を寄せる者の危機を夢で見たハリーは…。

いつものように非常に映像的。読者の解釈なんぞは差し挟む余地無く次々と場面が展開する。
<生徒の>人物の描写は相変わらず上手い。しかも今回はローリングさん、ノリノリという感じ。
だが、設定が手に余って来たためか、あるいは7巻までに物語を押し込めたいためからなのか、前作までの布石ともとれる箇所や今作での小道具が宙に浮いている印象がある。無理に整合性を求めているような気がしなくもない。
ハリーを巡る大人たちは描ききれていない印象があり、不快感すら残る場面もある。
スネイプとジェームス、シリウスらの学生時代からの因縁が明らかになるが、これも中途半端。詳細はお蔵入りか?今後の巻でスネイプの独白なんかで明らかになるのか?(そんなの嫌だ)
魔法省内での戦いも、ダンブルドアの出現はまるで水戸黄門の印籠の如く、事態収拾が目に見えてホッとすると同時に意気消沈する。
加えて後半、ダンブルドアの告白という形で最も重要な謎解きが表現される辺り、何ともお粗末。
終盤近くまでのスピード感や期待感はシリーズ最高であっただけに残念。

個人的にはフレッド、ジョージ両ウィーズリーと、ネビル・ロングボトムに200点(笑)
  • 松岡 祐子 訳
  • 静山社