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世界幻想文学大賞受賞作である表題作、ネビュラ賞受賞作『ルイーズのゴースト』を含む11作品からなるコレクション。
ファンタジー右派(なんて言葉があればの話だが)からすれば、「これがファンタジー?これが世界幻想文学大賞?」などと思うかも知れない。
理不尽で、脈絡無く、けれどやけにリアルで、目覚めた後も尾を引くような…
そんな夢をご覧になったことがあるだろう。
日常の中に潜み、静かに唐突に表れる世界がケリー・リンクの作品には存在する。
大抵の作品には死や幽霊が存在する。他方、リアルなセックスやマスターベーションの描写もある。
敢えて明かすことをせずとも、誰もが持つ日常の風景。
一転して白昼夢のような場面にぽつんと置き去りにされる。それは少し滑稽に感じるかも知れないが、奥底にしまい込んだ孤独を目の前にぶら下げられた様な気分になる。
長編をこのスタイルで描かれると、うんざりするのだろうと予測できるし、 尻切れが置き去り感を増長させる。 巧い短編作家だと思う。
柴田元幸氏が絶賛しているらしいが、なるほど、ポール・オースターなどの作品が好きなら、愉しめる筈。短編部門受賞作品。 |