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景戒 Keikai

生没年不詳。奈良時代の薬師寺の僧。
日本最初の仏教説話集『日本霊異記(日本国現報善悪霊異記)』の著者。 出自については不明だが、その記述から紀伊国名草郡の大伴氏の出身とする説が有力。また霊異記には私度僧(国の許可を得ず僧を称したもの)の説話が多いことや彼自身も妻子や馬を持つなど半僧半俗の生活を営んでいたことから、私度僧もしくはある時期までは私度僧で遅くに得度を受けたとする説がある。
787年(延暦6年)に著した霊異記の初稿本を年を追って集成し、822年(弘仁13年)に完成させたとみられている。795年(延暦14年)に伝灯住位を授けられた。

日本霊異記 |

 日本霊異記

日本国現報善悪霊異記 (平安初期)
日本霊異記 奈良以前~奈良時代における、主に仏教に関係する各地の不思議な逸話を平安初期に薬師寺の景戒という僧が集め、書いたもの。
中国の般若験記や冥報記にならい、今昔物語にも収められている「日本国現報善悪霊異記」という日本最古の説話集。

説法本であるので、当然、よい行いを勧め、極楽往生を目的とするものなので勧善懲悪本である。ために非常に単純なのではあるが、これが実に面白い。
雷も鬼も話をするし、閻魔王も吉祥天女も出てくるし、亀や蟹が恩返しするし、男女の欲望も実に率直。
当時の庶民の生活ぶりや職業なども判り、貧しいものも富めるものも登場するが、概して素朴で力強い。
ぐっと来る佳作もあったりする。日本の大人版イソップ物語といったところ。

原田敏明・高橋貢両氏の訳も平易で読みやすい。かといって改編しすぎてないのがとてもよろしい。
昔の国名と大方の現在地が併記されており、逸話の所在地や環境なども想像がつくため、それがまた愉しい。
  • 原田 敏明/高橋 貢 訳
  • 発行: 平凡社 2000/01/24
  • ISBN: 4-582-76319-7
  • 平凡社ライブラリー