
- 原田 敏明/高橋 貢 訳
- 発行: 平凡社 2000/01/24
- ISBN: 4-582-76319-7
- 平凡社ライブラリー
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奈良以前~奈良時代における、主に仏教に関係する各地の不思議な逸話を平安初期に薬師寺の景戒という僧が集め、書いたもの。
中国の般若験記や冥報記にならい、今昔物語にも収められている「日本国現報善悪霊異記」という日本最古の説話集。

説法本であるので、当然、よい行いを勧め、極楽往生を目的とするものなので勧善懲悪本である。ために非常に単純なのではあるが、これが実に面白い。
雷も鬼も話をするし、閻魔王も吉祥天女も出てくるし、
亀や蟹が恩返しするし、男女の欲望も実に率直。
当時の庶民の生活ぶりや職業なども判り、貧しいものも富めるものも登場するが、概して素朴で力強い。
ぐっと来る佳作もあったりする。日本の大人版イソップ物語といったところ。
原田敏明・高橋貢両氏の訳も平易で読みやすい。かといって改編しすぎてないのがとてもよろしい。
昔の国名と大方の現在地が併記されており、逸話の所在地や環境なども想像がつくため、それがまた愉しい。 |