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● 井村 君江
ケルトの神話―女神と英雄と妖精と
ケルトの神話 ―女神と英雄と妖精と



  • 筑摩書房
  • 発行: 1990/03
  • ISBN : 4-480-02392-5
  • 文庫 / 269p
ケルト民族が単独で創った国家は存在せず、それだけにまとまった遺跡・記述がない。
 幻の民族と言われる所以である。
 しかしヨーロッパの、とりわけブリテンのルーツであるキリスト教以前の異教と呼ばれたものが、今尚多くの物語の出発点になっており、作家の、また読者のエピファニーになっている。

 しかし作家にとって至極当たり前に呼吸しているケルトの空気も、われわれ日本人にとっては不思議に思ったり、違和感を感じる場面もある。
 そんなわれわれに平易な文章で理解を助けてくれる一冊。

~目次~
Ⅰ 「天地創造神話」のない神話
  ・地下から来た神々
  ・国造りを見た男トァンの話
Ⅱ ダーナ神族の神話
  ・ダーナの神々
  ・ダーナ神族と妖精と常若の国
  ・トゥレン3兄弟の試練の旅
  ・かゆ好きの神ダグダ
  ・愛の神オィングスの夢
  ・蝶になったエーディン
  ・白鳥になったリールの子
  ・大地と河の女神
  ・戦いの女神
Ⅲ アルスター神話
  ・赤枝の戦士たち
  ・光の神ルーの子ク・ホリン
  ・悲しみのディアドラ
Ⅳ フィアナ神話
  ・フィンとフィアナ騎士団
  ・フィンと妖精サヴァ
  ・妖精にたのまれた戦い
  ・ディルムッドとグラーニャの恋

 著者である井村君江さんは歴史学者ではないが、比較文学の立場からケルトの伝承を今に蘇らせる著述を精力的にこなされている方。
~あとがきから抜粋~
 マロリー以前のアーサー王伝説の形が見られる『マビノギオン』…しかし、これは英雄サガといったほうがよく、赤枝の騎士団のク・ホリンや、ファアナ騎士団のオシーンたちにその原型が見られるのです。
 妖精の女王や常若の国の存在など、ダンセイニを始め多くの幻想文学のエッセンスになっているが、英雄伝説の下敷きにもなっていて興味深い。
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