ケヴィン・クロスリー・ホランド Kevin Crossley‐Holland

1941年、英国に生まれ。詩人、児童文学作家。その他、アングロサクソン語からの翻訳や神話・民話の再話、オペラやラジオの台本など、活動は幅広い。




ふたりのアーサーおすすめ

Arthur
contributor
Elfarran

ふたりのアーサー〈1〉予言の石

ふたりのアーサー〈2〉運命の十字

ふたりのアーサー〈3〉王の誕生
REVIEW I予言の石
II運命の十字
III王の誕生

全三巻、“予言の石”はガーディアン賞を受賞しているらしい。
中世十字軍遠征がメインイベントの頃、イングランドとウェールズの境に近い片田舎のアーサーという貴族の少年。
出生に訳アリで、母を訪ねて・・・・が、物語のポイントの一つに。身分違いの少女ガディ、婚約者ウィニー、腹違いの兄、義理の母、育ての親、尊敬する騎士、フランス人の友人とサラセン人・・・そして一番重要に見えて実は何のタメに配されたのか良く分からない魔法使いマーリン。ぶっちゃけ人間ドラマです。
おっとマジ切れの実の父親も伏線。
“予言の石”とは、マーリンから貰った?
黒曜石のような黒い石が、かのアーサー王と円卓の騎士達の物語を少年アーサーに映像と音声を浮かび上がらせて見せ続ける。
現実に重なるときもそうでない時も 少年アーサーは、同じ名前の伝説の王アーサーに自分の姿を追う。これが終始物語の核になるのだが、 これはなくても立派にアーサー少年の成長物語&人間ドラマとして物語が成立するのではないか?と思った。
しかし、このエピソードを抜いてしまうとなると“ふたりのアーサー”と言うタイトル自身が成立しなくなる。微妙な所だが・・・・如何だろう?
ランスロットとグヴィネビアの悲恋も現実の出来事になどらえて置くのはくどすぎはしないか?
と思ったが、これは恐らく胡山椒チキンのようなモノかもしれない。胡麻と山椒、どちらも個性的な薬味をあえて重ねるのはクドクないか?いや風味が更に増す、と言う事かもしれない。
三巻は、様々な少年の疑問符が堆積されて、結構こってり、もったりしている。この物語のスタイルが日記のような形式なので尚の事。エルサレム奪還への 疑問、ヴェネチァとヴァチカンへの疑問、戦いとは?
神の存在とは?もうフルコースだったのが、いきなり急転直下の展開で、慌しくも急激に終盤に突入する。
最後は、驚きの出来事と共に強引に持って行き過ぎた気もするが、やれやれ・・・・と一息つける読後感は一応児童書なので、必須アイテムなのだ。
でも、マーリン・・・ほんとアンタ何しに出て来てるの?(笑)魔法使いは時間通り・・・と言う事か(爆
  • 2001年ガーディアン賞